練習試合
鳴り響くサイレンの音…
その音が妙に虚しく耳を掠めていった。
「お疲れ」
「お疲れさんしたッ」
試合も終わり皆が着替えを済ませて帰っていく。
いつも通りの光景。
いつも通りの時間。
ただ違ったのは…エースの状態だけだった。
エースとして初の先発。
誰もが通る道とはいえ結果は惨敗だった。
監督の冷酷な采配にも動じない不貞不貞しい1年生のエースはマウンドを降りた後、自責で俯いている。
誰も彼だけを責めたりしないのに。
そう思って俺は自分の甘さを嗤った。
彼は同情が欲しい訳じゃない。
だからああやって俯いて居るんだ。
誰にも触れられず、自らを叱咤す。
孤高に見えてただ単にプライドの高さが何者の接触を許さないだけ。
割と脆い投手を弄ることが出来るのは案外…俺だけかも知れない。
「おい。準太ッ」
「……。」
「先輩相手にシカト?」
「…なンか用スか。」
「別にぃ〜。」
「慎吾サン…キモチ悪ィス。」
「酷ェ。んな可愛くねぇ後輩には奢ってやんねぇよ?」
「……。」
「ほぉら。立てって。いつまでジメジメしてんだよッ!まだお前の夏は終わんねぇぞ?負けて立てねえ奴は凡人だってどっかの誰かが言ってたぜ?」
「もう立ってますよ!…次は…勝ちますから。」
「うん。」
「慎吾サンにだって勝ちますよ?もう誰にも負けません。」
「うん。」
「だから…」
「だから?」
「ずっと見てて下さいね。俺が勝ってるところ。」
「バッチリ見とくよ。じゃあ早速ファミレスまで勝負な?」
「え…俺まだ着替えてないのにッ!!」
「じゃ、お先に〜」
「狡いッ!!!」
プライドの高い我等がお姫様は口を尖らせながら急いで服を着替えてる。
落ち込むのも偶にはいいけど…やっぱり不貞不貞しく笑う彼の方がらしい気がする。
だからって…ちょっと甘やかしすぎかもしれないけど…。
和にまた怒られそうだけど…この微妙な生き物を俺は気に入っているんだから仕方ないんだ。
ずっと笑って側にいておくれ 高瀬準太君…。
fin
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アトガキ
突発的に書き上げた初島準?です。
激短いし、話の首尾一貫してないし…滝汗モンですが一応あぷ。
もしかしたら修正か消去の末路を辿るかも知れません。
05/09/14
お手数ですがブラウザバックでお帰り下さい