「基本的に家出るときに雨降ってなかったら傘は持ち歩かない主義なんです。」
外は信じられないほどの大雨。
部活も早々に終わり、今部室に残っているのは俺と慎吾サンだけ。
日誌当番の慎吾サンは適当に日誌を書きながら「傘持ってるか?」と聞いてきた。
よっぽど母親に押しつけられない限りは傘なんてモノ持ち歩いたことがない。
理由がアンタにあるって知ってるの、慎吾サン?
「台風来るって天気予報で見てないのかよ?」
「朝はテレビ見ません。そんな時間あったら寝てます。」
「お前ね〜それは自慢げに言うコトじゃないの。ったく…肩冷やしたらどうすんだよ。」
「慎吾サンが傘入れてくれるでしょ?」
「はいはい。一緒に帰りましょうか。お姫様」
そう言って慎吾サンはふでばこを鞄に仕舞うとロッカーへと傘を取りに行く。
そうやって俺を甘やかすから…。
アンタも俺のことが好きなのかもって誤解しちゃいますよ?
「さてと。お送りしましょうか?」
透明のビニール傘がやや右に傾いている。
慎吾サンが肩を冷やさないように配慮しているからで、当の慎吾サンの肩は雨が滴っている。
「肩冷やさないで下さいね。」
「じゃあ傘を持ってくる努力をして下さ〜い。」
「努力シテミマス。」
学校からは決して近くない距離なのに慎吾サンと帰る雨の日だけはあっという間に着いてしまう。
みんなと帰る時とそう変わらない他愛もない会話なのに。
少し惜しげに傘を眺めていると慎吾サンに思いっきり頭を撫でられた。
何事か、と慎吾サンを仰ぎ見ると悪戯っぽい笑みが浮かんでいて…。
「わざわざお送りした先輩はご褒美くらい貰えるよな?」
そう言い終えた途端に慎吾サンの唇が重なる。
雨の音を心拍がかき消すように大きな音で脈打っていた。
「じゃ、また明日な。あ、ちゃんと肩暖めろよ?あ〜、ソレと…。」
「傘は持ってこなくていいから。」
はにかんで笑う慎吾サンが妙に眩しかった。
去っていく後ろ姿も、雨に打たれるアスファルトの色も………。
ねえ、慎吾サン。それは…どういう意味ですか?
まだ雨の日を慎吾サンと二人っきりで帰る口実にしてもいいってことですよね?
俺、図に乗っちゃっていいんですか?
fin
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アトガキ
秋雨前線の影響皆無の関西なんですけど…埼玉?関東が台風っぽかったんで書いてみました。
アレ?台風じゃなかったっけ?関西人は関東事情ようわからないんで間違ってたらスミマセン。
初めて準太視点で書いてみたんですが…何この子!ってかんじですね。。。
一番悩んだのは「はにかんだ笑みを浮かべる慎吾サン」ですけどね/焦
想像できないのに書いてしまってます。。。。
お粗末様でした。
05/09/26
お手数ですがブラウザバックでお帰り下さい。